SolidWorks WORLD 2011 開催報告
~4,500名を超える参加者の熱気と興奮でテキサスパワー炸裂の3日間~
2011年1月24日(月)~1月26日(水)、米国テキサス州サンアントニオのHenry B. Gonzalez Convention CenterにてSolidWorks WORLD 2011が開催されました。
毎年恒例の本イベントは今年で第13回目を迎え、リーマンショック以降の厳しい経済環境から回復し、成長への明るい兆しと新たな世界秩序の課題が混在化する中で、世界各国より4,500名を超える方々が、熱気とパワーとエキサイティング溢れる3日間を満喫され大盛況のうちに終了いたしました。

◆今回、特筆する点として、以下の3つが挙げられます。
1.米国ダッソー・システムズ・ソリッドワークス社(以下、DSソリッドワークス社)の新CEOにベルトラン・シコが就任し、グループ連携による持続的成長とお客様視点でのソリューション提供を強調(ジェフ・レイは仏国ダッソー・システムズの地域オペレーション統括エクゼクティブバイスプレジデントに昇格し、仏国ダッソー・システムズのCEOのベルナール・シャーレスとともに3日間参加) 
2.従来のデスクトップ製品のみならず、オンライン(クラウド)及びモバイルの3つのプラットフォームを基軸に製品を提供することを確約し、オンライン及びモバイル上での製品を紹介したともに、従来の機械系市場のみならず、建築・建設系市場を始め新規市場開拓も積極的に推進していくことを明言

3.次期バージョンであるSolidWorks 2012のSneak Previewで10項目ほどのハイライトが披露され、ものづくり全般を配慮した3次元徹底活用のためのいくつかを方向性を示唆
◆General Sessionでの招聘講演は、初日には本イベントの第13回目を記念して、アポロ13号のジム・ラベル船長とジーン・クランツ管制官が登壇。2日目にはディスカバリーチャネルで人気の「Bionic Builders」から若くして片足を切断した不遇にもかかわらず、強靭な意志で人生を切り拓き今ではハリウッドの有名なスタントマンとして活躍しているキャッシー・ピレッティ氏とエンジニアでかつイノベータのビル・スプラッシャ氏が、3日目には13歳で多彩な才能を持ち、SolidWorksをもいとも手軽に使いこなす天才少年リレイ・ロイズ氏が紹介され、それぞれのエピソードを交えながらの講演は聴衆を魅了しました。

◆General Session終了後の10:30-18:00は、リセラーはReseller General Sessions及びBreakout Sessions が、ユーザは200以上のSolidWorksを活用したものづくり手法・ツール技法を紹介する各セッションやユーザ事例紹介のUser Breakout Sessionsが連日開催され、一堂に集結した世界の叡智を学び、世界の人々と繋がる機会を得ることができました。
◆日本からはBest Practiceのカテゴリで、日置電機株式会社様及び山洋電気株式会社様から貴重な事例が発表されました。
◆展示会場では、100社/32カテゴリ/120製品に及ぶパートナーソリューションの展示とSolidWorksで製品化されたプロダクトショーケース等が一堂に集結しました。
革新を続ける世界のものづくりの最新技術情報とSolidWorksのパワー、SolidWorks コミュニティの熱気で溢れる3日間は、参加された方々にとって貴重な場となりました。以下、SolidWorks WORLD 2011ダイジェスト版といたしまして、3日間のGeneral Sessionを中心に以下のハイライトをご紹介いたします。
- General Session - DAY1、DAY2及びDAY3
- オンライン対応の新製品・新サービスの紹介
- 日本からの事例講演ハイライト
- 展示会場ハイライト
- 参考サイト

■■■General Session - DAY1、DAY2及びDAY3
General Session - DAY1
ジェフ・レイの登壇で開幕
今年のワールドのオープニングは、ジェフ・レイで開幕しました。DSソリッドワークス社での3年半において、マルチプロダクトビジネス、お客様視点でのソリューション提供とグループ連携を推進。今後はグループ全体の持続的成長のために、さらなるグループ連携を強化し、米仏の企業文化の違いを超え、真のお客様視点に立ったビジネスを遂行することが、自分の使命であると参加者に感謝の意を表しながら引き締まった口調で述べました。
ジェフはSolidWorksのユーザが世界に貢献していることを誇りにしています。今年も例年同様、チリ鉱山落盤事故救出において活躍された「Schramm: drill rigs」、「Center Rock: drill bits」、「Oakley: sunglass」の企業・製品及び、乳児の黄疸を撃滅する革新的なレーザー照射保育器の開発でBest Innovative Product受賞された「NeoNurture: Incubator - "Firefly"」 の企業・製品を紹介し、賛辞を贈りました。
その後、ジェフは2011年1月5日付で、DSソリッドワークス社の新CEOに就任したベルトラン・シコを紹介しました。
新CEOのベルトラン・シコ
新CEOのベルトラン・シコは、堂々と登壇し、ジェフのこれまでの貢献への感謝の念とジェフが推進した使命を継承し、強化することが自分の使命であると語りました。
シコは、2010年のビジネスは成功裏に完遂され、各地域ともに予算達成、今後も明るい兆しであると主張し、研究開発やサポートも過去最高レベルの投資ができ、お客様へ最良のソリューションを提供することを積極的に推進することを強調しました。
合わせて、2010年半ばにグループとしてパブリックリリースした無償の2次元CAD「DraftSight」が非常に順調に市場に受け入れられている事実を数値で示しました。この無償ツールは、Window7対応済みでさまざまなバージョンのDWGとの互換性を保証しており、現在でも2次元図面での取引やそのための設備投資を担保し、積極的な3次元投資ができていない多くの企業には朗報で、今後は、この無償ツールを利用することで戦略的な3次元投資を遂行してもらえることを期待していると述べました。
ジェフが昨年クラウドを提供すると確約したことを裏付けるように、シコは「今後は、デスクトップ、オンライン、モバイルという3つのプラットフォームを基軸にソリューションを提供する」と短く、しかし力強く言い切りました。
仏国ダッソー・システムズのCEOのベルナール・シャーレス、「POST3D」を実演
最後は、親会社である仏国ダッソー・システムズのCEOのベルナール・シャーレスが登壇し、DSソリッドワークス社のジェレミーともに、「Let's Go Design」サイトで公募されたアイデアを具現化した「The Ultimate CAD Chair(究極の椅子)」の設計レビューをオンラインツールPOST3D(ポストスリーディー)で実演しました。詳細は後述のオンライン対応の新製品・新サービスの紹介の項を参照にしてください。
招聘講演:アポロ13号のジム・ラベル船長とジーン・クランツ管制官
招聘講演は、本イベントの第13回を記念して、アポロ13号のジム・ラベル船長とジーン・クランツ管制官。
まずは、ジーン・クランツ管制官が登壇し、「有人飛行で月探索を目指したアポロ計画は当時のアメリカ総力を挙げての国家一大事業。冷戦下のソビエト連邦との宇宙総力戦。老若男女を問わず、リスクに果敢に挑戦でき、目標を達成することができる人材が採用され、有無を言わせず有人飛行を成功させることのみが使命」であったと語りました。
ジーン管制官は、飛行中に管制塔からの制御が効かない事態がアポロ機体に発生していることを発見することを語るや否や、ジム・ラベル船長が、「Houston, we have a problem.」という有名な台詞で登壇し会場にどよめきが起こりました。
船長ジムは当時を振り返り感慨深く、「このような事態で人間は3種類の行動をとる。People who make things happen, people who watch things happen, and people who wonder what happened。」 ただ、すべての人々が今回の使命を全うするために全力で一致団結して事にあたってくれたことにより、アポロは無事地球に帰還できたことは確かである」と締め括りました。
ジーン管制官が語った「Failure Is Not An Option, Success Was The Only Option!(成功のみが唯一のオプション)」は当時の冷戦下で、アポロ13の使命は、どれだけ組織への期待と重圧の中での任務であったかを強く印象づける言葉として感慨深いものです。
General Session - DAY2
ヒューレッド・パッカードのスポンサードアワードで開幕
2日目のオープニングは、特別協賛のヒューレッド・パッカードに対して主催者からの盾贈呈で始まりました。
SWUGNユーザグループの本社マネージャであるリチャードが登壇
続いて、SWUGNユーザグループの本社マネージャであるリチャードが登壇。増大を続けるSWUGNコミュニティパワーは、世界27ヶ国で180以上の地域ユーザ会が運営されており、年間12,000人以上が参画されていることを発表しました。今年は、恒例のアワードの他に、SWUGNの立ち上げから多大なる貢献・献身をしながら、昨年ガンで永眠されたミッシェル・ピラー女史を偲んで有志が寄贈したアワードには当初を知る人物の一人として非常に感慨深いものがありました。
DSソリッドワークス社の創立者、ジョン・ハーシュテックが語る、繋ぐユーザの想い
次に登壇したのは、DSソリッドワークス社の創立者で、かつグループエクゼクティブ・アドバイザリーであるジョン・ハーシュテックです。
ジョンは、時代の潮流を先読みし、変化に果敢に挑戦することの重要性を、創業当時を振り返り、「1993年創業当時、Windowsのパソコンで3次元CADは時期尚早で無理ではないか。」という見方がされていたが、「ITの潮流で、UNIXワークステーションからパソコンへという動きがある以上、3次元CADも、時間の問題でパソコンに移行するにちがいないと予測し挑戦したことで現在がある。」と語りました。また、創業当時の「誰でも手軽に想いのままに設計できること」に対するあくなき挑戦は留まることはなく、ジョンは、現在でも「SolidWorksはまだ始まったばかり。なすべきことの大部分は我々の目の前にあるのです。」を断言し、ユーザとともに終わりなき挑戦を続けています。
ユーザインタビューは常に発見があるので最大の楽しみ
ジョンはその後、以下の3社のイノベータの方々と恒例のユーザインタビュー(これは彼が一番楽しみな時らしい)を実施しました。
■ Dr. Bill Townsend, founder, president, & CEO of Barrett Technologies 
- SolidWorksの最初のユーザ in 1995
- 革新的多軸ロボットアーム及び協調ロボットの開発企業
- SolidWorksを利用したことで、冷蔵庫サイズの筺体をホッケーパックサイズにするとともに、ハーネス数の大幅激減に成功
■ Rony Abrovitz, Founder and Chief Visionary Officer of MAKO Surgical
- ロボット工学と制御を利用した革新的医療手術機器の開発
- スキャナーとインプラントによる先進的整形外科での6,000体の臨床成功
- 患者が登壇し、術後2時間で歩行、3日間でゴルフができたことをアピール
■ Mike Pisani, Senior Vehicle Engineer and Head Builder Trainer for Local Motors
- カスタムカーを専門集団によるデザインから製造までをオープンソースビジネスモデルで実現している企業
- オンラインコンテンツ・アイデア交流からマイクロファクトリーにて製造して出荷するユニークなアイデアを具現化している
- 会員数は9,500。展示会場にカスタムRVが出展されていた
招聘講演:ディスカバリーチャネルで人気の「Bionic Builders」から障害を不屈の精神で克服しハリウッドでも有名なスタントマンになったもの・ことづくり
2日目にはケーブルテレビのディスカバリーチャネルで人気の「Bionic Builders」から若くして片足を切断した不遇の中、強靭な意志で自ら人生を切り拓き今ではハリウッドでも有名なスタントマンとして活躍しているキャッシー・ピレッティ氏とエンジニアでかつイノベータのビル・スプラッシャ氏が登壇。ビル氏の設計した数々のユニークなアイデアでちょっと過激なツールに、キャッシー氏が健在者よりも果敢に挑戦をしている体験談を映像や実演を交えて紹介しました。
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ロッククライミング:最適クライミングシューズ
- ダイビング:特殊フィン+動力エンジン採用
- ジェットランニング・ハイジャンピング:圧縮空気仕掛けの足
- スタントマンアクション
「Who Do You Want To Be Today!(挑戦し続ける意志)」は、障害を強靭な意志で克服し自ら人生を切り拓いた経験者キャッシー氏だからこそ語れる貴重な訓示です。
General Session - DAY3
デルのスポンサードアワードで開幕
3日目は、昨晩のスペシャルナイトイベントの余韻の残る中、オープニングは、特別協賛のデルに対して主催者からの盾贈呈で始まりました。
展示会場の特設コーナーで実施されたモデルマニアコンテスト表彰
引き続き、モデルマニアコンテスト(展示会場内の特設施設で実施されたいかに早く課題の設計要件を満足するモデルを作成できるかという実技)のアワードが行われ、代理店部門・ユーザ部門それぞれで優勝された方は3分以内のタイムでした。ちなみに日本でCSWPを取得されている方も挑戦したが8分ほどかかったとのことを伺って、優勝者の凄さを再認識しました。
エンハンスドリクエストTop10が発表
次に恒例のエンハンスドリクエストTop10が発表されました。
※リストのみ掲載いたしますが、本エンハンスドリクエスト実装に関しては時期を含めて確定できませんこと、予めご了承ください。ただし、過去の実績から3年以内に80%ほどが実装されています。詳細は参考サイトをご覧ください。
- Angle Mates That Don't Flip At Random

- Better Utilize Processor Cores
- Option To Dangle Children Insteand Of Deleted
- SolidWorks Should Cleanly Uninstall Itself
- Freeze Features
- Enhanced Equations Input And Editing And Linking
- Convert Solid Body Into A Surface Body Without Having To Delete Offset Or Knite Faces
- Make The "Ideas" Section (In The Forum) Available All The Time Not Just For
- File Compatibility Between Versions
- Pressing Escape Key Should Immediately Return Control Of The Interface
オンライン対応の新製品・新サービスが紹介
そして、いよいよ聴衆の期待度が高まる中、SolidWorks 2012のスニークプレビューかと思いきや、オンライン対応の新製品・新サービスが先に紹介されました。詳細は後述のオンライン対応の新製品・新サービスの紹介の項を参照にしてください。
Post3D(ポストスリーディー):人間の視点からの3次元データの共有・レビューが可能なオンラインツール
SolidWorks n!Fuze(エヌフューズ):小規模の企業、個人ユーザ向けの製品データ共有オンラインツール
SolidWorks Live Building(ライブビルディング):建築・建設市場向けコンセプチャル設計のためのオンラインツール
DraftSight(ドラフトサイト):Window7対応のDWG編集が可能な無償の2次元CAD
SolidWorks 2012のスニークプレビュー、「CAD COPS」の演出で開幕
いよいよ、期待が最高潮に達したところで、SolidWorks 2012のスニークプレビューです。毎年恒例ですが、このプレビューは単に機能を紹介するのではなく、寸劇を交えて面白・可笑しく演出するエンターテイナメントです。
今年は、「CAD COPS」と題して、ジェフ・レイ扮する警視長官とその刑事がプロダクトマーケティングスタッフ扮する犯罪者を取り押さえて新機能を自供させるというもので、寸劇の合間で15つの機能が紹介されました。
※リストのみ掲載いたしますが、本機能は現在開発中であり、機能の実装が確定されていませんことを、予めご了承ください。詳細は参考サイトをご覧ください。
User Interface Enhancements
- Command Search
- Sheet Metal Enhancements
- Doubled Dimension
- Equation Enhancements
- Balloon Order
- Magnet Lines
- View Label Reuse
- Rendering
- Custom Compass
- BOM Hotspots
- Tab to Hide
- Manufactured Part Costing
- Motion Optimization
- Large Design Review
次世代エンジニアを育成・輩出する教育ビジネス、遂に世界累計100万本を突破
3日目の最後は、恒例の教育事例の紹介です。今年は、事例紹介に先立ち、ベルトランより2010年11月末に教育版世界累計出荷本数100万本突破し、全世界で24,000校以上にカリキュラムとして導入されていることが発表されました。これは驚異的な数字であり、DSソリッドワークス社ほど次世代エンジニア育成で成功している会社はないでしょう。

世界最年少の
SolidWorks使いこなしは、13歳の天才少年
続いてジェフにより、13歳で多彩な才能を持ち、SolidWorksをいとも手軽に使いこなす天才少年リレイ・ロイズ氏が紹介されました。ロイズ氏はGoogle SketchUpを使っていたが、自分がしたかった設計ができないため、新たなツールを模索し11歳でSolidWorksに遭遇、現在では錠前やPC盗難防止ロックのハッカー対策として冬のBostonで、野外凍結にも負けない施錠ロックの開発にも成功した世界最年少のSolidWorksユーザでありイノベータです。
次世代エンジニア育成の成功プロジェクトを披露
再びベルトランにより、いくつかの教育機関でのプロジェクトが紹介されました。昨年のNASAとの共同研究による小型制御機器の開発に引き続き、次世代エンジニアは新たな時代を切り拓く担い手で、そして逞しい挑戦者として、その能力を発揮しつつあります。
- Federal University of Minas Gerais, Brazil:小型飛行機の設計
- Ben Gulak, MIT Student:スポーティな一輪バイク「UniCycle(UNO)」で「INVENTIONS OF THE YEAR」を受賞
- BPG Werks:過激なオフロードスポーツのための乗り物(next level of Gnarly off-road riding sports device)

SolidWorks WORLD 2012は、2012年2月13日(月)~2月15日(水)米国カルフォルニア州サンディエゴで開催
3日間のハイライトビデオが放映され、最後に来年は、2012年2月13日(月)~2月15日(水)米国カルフォルニア州サンディエゴで開催されることが発表され、General Session - DAY3は無事閉幕した。
■■■オンライン対応の新製品・新サービスの紹介
今回のSolidWorks WORLD 2011では、3つの新製品が紹介されました。それぞれの新製品は、すべて、オンライン(=クラウド)に対応したものです。
POST3D(ポストスリーディー)
1つめの新製品は、POST3D(ポストスリーディー)。POST3Dは、ダッソー・システムズ社のコラボレーションツールである3DVIAをベースとして、アバターを設定してコラボレーション、コミュニケーション、ウォークスルーなどで臨場感あるプレゼンテーションや3次元データを活用して情報共有等の設計レビューを実現するオンライン(=クラウド)製品。POST3Dは、現在、テクニカルプレビュー中であり、パブリックベータ版は、2011年末リリースの予定です。

SolidWorks n!Fuze(エヌ・フューズ)
2つめの新製品は、SolidWorks n!Fuze(エヌ・フューズ)。これは、昨年発表された、ENOVIA V6ベースのオンライン(=クラウド)データ共有化システムであるSolidWorks PDS(Product Data Sharing)が製品化されたものです。
SolidWorks n!Fuzeは、離れた拠点にいる設計者同士が、共通のワークスペースを作成し、データを共有化するという仕組み。考え方としてはオンライン・ストレージであるが、3次元製品データを管理するので構成管理、履歴管理、ビューイング機能をサポートしたPDMライクな簡易管理ツールである点が特徴である。利用料は月額70ドル程度を予定しており、対象はIT部門や技術を保有していない中小事業者向けの3次元データ管理システム。本イベントでは、オンラインだけでなく、試験的にiPadやiPhoneのモバイルでの情報共有やビューワも紹介されていました。

SolidWorks Live Building(ライブビルディング)
3つめの新製品は、SolidWorks Live Building(ライブビルディング)。DSソリッドワークス社としては、初の建築・建設分野向けの製品でオンライン(=クラウド)に対応しています。これまで、一貫して機械分野に製品・ソリューションを提供してきたDSソリッドワークス社が建築分野向けの製品を提供することには賛否があるかもしれないが、実際には、建築・建設分野において機械系3次元CADが利用されるケースは多くなってきています。
近年増えている自由曲面が多い建造物を設計するためには、従来の建築系CADでは無理があり、機械系3次元 CADであればモデリングのみならず、構造・振動・熱・流体などのシミュレーションやSTLにより3次元カラープリンタで手軽に試作することもできます。これらのより、クライアントや施工主との迅速なアイデアのコミュニケーションが仮想検討できます。また、インテリアや工業デザインでは既にSolidWorksは世界各国のデザイナーやエンジニアで活用されており、それらを建築物と組み合わせて総合評価することもできます。そして、昨今ではデザイン工学の観点からもCGから3次元CADに移行し、3次元CADを徹底的に使いこなし、コンセプトデザインからエンジニアリングまで3次元データを徹底活用している先進的な建築家が増えていることも確かです。
SolidWorks Live Buildingは、あくまでコンセプチャルな建築・建設分野のオンライン設計・コミュニケーションツールですが、前述のような潮流から、DSソリッドワークス社にとっての新規開拓市場として製品提供することの価値は非常に高いです。

無償の2次元CAD「DraftSight」
既に2010年半ばにグループとしてパブリックリリースした無償の2次元CAD「DraftSight」は、Window7対応済みでさまざまなバージョンのDWGとの互換性を保証しており、現在でも2次元図面での取引やそのための設備投資を担保し、積極的な3次元投資ができていない多くの企業がこの無償ツールを評価・利用し、価値を見出すことで、3次元投資・増資へのさらなる一歩ができます。そのために、この無償ツールは、Windows、Mac及びLinuxへの搭載だけでなく、試験的だがiPadの上でも実装を検討しており、本イベントでその試作版が紹介されました。より多くの方々に3次元データの価値を共有し享受してもらうために、DSソリッドワークス社は、SolidWorks n!FuzeやDraftSightを始めとしてモバイル環境においても、手軽にデータ活用できるツールを提供していきます。


■■■日本からの事例講演ハイライト
日本からはBest Practiceのカテゴリで、日置電機株式会社様及び山洋電気株式会社様から貴重な事例が発表されました。
日置電機様:「The 200% Business Process Innovation Challenge - Utilizing SolidWorks Multiple Products for the Equipment Manufacturer」
日置電機の水出氏及び臼井氏から、「The 200% Business Process Innovation Challenge - Utilizing SolidWorks Multiple Products for the Equipment Manufacturer」と題して、3次元ものづくり効率化、プロセス革新などの推進の成果と人材教育の重要性、今後の展望などが発表されました。3次元CADは、もはや単なる設計のツールではなく、その効果はビジネス・プロセス全体に及んでおり、付加価値を生み出すマザーツールとして活用が始まっています。現在、設計者全員がSolidWorksを利用し、デザインレビュー、クオリティレビュー、マニュファクチャリングレビュー、セールスレビュー等、あらゆる工程で3Dデータを活用し大きな成果をあげています。さらに、構造・振動・熱流体などの解析ツールを早くから導入し、電子機器の筐体内の熱流体解析やEMC設計を行い、品質の高いものづくりを追求し、現在は生産性200%向上の実現に挑戦しています。
山洋電気様:「Front-Loading Manufacturing with Focus on the Tolerance」
山洋電気の牧内氏及び竹田氏から、「Front-Loading Manufacturing with Focus on the Tolerance」と題して、公差設計で、設計段階から製品品質をコントロールし、 『結果オーライの品質』から『設計者が意図的に作りこむ品質』へ意識変革を目指し取り組んだ成果が発表されました。公差解析ツールで設計者負荷を軽減するともに、公差設計の実践を掲げて品質向上とコスト削減の両立に成功。また、最終製品が満たすべき機能と品質を明確にした公差設計のPDCAサイクルを、設計から試作、そして、量産工程まで展開し、現場での不具合や歩留まりの削減と「診える化」による解決策の迅速な検討を実践することが重要であると強調されました。
(各社の事例記事はこちらをご覧ください。>>日置電機株式会社 >>山洋電気株式会社)

■■■展示会場ハイライト
展示会場では、100社/32カテゴリ/120製品に及ぶパートナーソリューションの展示とSolidWorksで製品化されたプロダクトショーケース等が一堂に集結しました。
パートナーソリューション展示
カテゴリ別の出展概要は以下の通りです。

この中で、スポットライト的な展示企業・製品は以下の通りです。

さらに、以下の製品は今後ニーズが高まってくると予想されており、多くの方々が熱心に機能確認や議論をしていました。
- Extensible CAD社:2次元図面に記載された公差を基に検査効率化を実現
- LogoPress社:CSG社"PressDesign"に機能統合予定(大量キャビコア生産に強み)
- National Instruments社:エレメカ制御における仮想検証(LabVIEW for SolidWorksでSolidWorks及びSimulation Motionに完全統合済み)
- Rapidform社:3次元公差情報を基に検査効率化を実現
- Simpoe社:SolidWorksに完全統合された樹脂流動解析を実現
- SolidAce社:SolidWorks上で稼働する梁・鋼材・建設設計を実現
- T-Splines社:NURBS, Subdivisionサーフェス両方に透過な数式表現(有機的な形状の設計に優位、Rhino版プラグインがすでにリリース済み)
- Tacton社:多彩な自動設計を容易に実現
- TransMagic社:データ変換・データ補正機能(JTファイルPMI対応予定)

SolidWorksで製品化されたプロダクトショーケース
以下は、展示会場内で体感できる「The Ultimate CAD Chair(究極の椅子)」とSolidWorksで製品化されたプロダクトショーケースの一部です。

■■■参考サイト
国内:
- 日刊工業新聞社 2011年1月27日 朝刊P6
米ソリッドワークス 3次元CAD販売 3倍に
- 日刊工業新聞社 2011年1月28日 朝刊P6
米ソリッドワークス コスト管理機能を追加
- 機械設計 2011年4月号
オンラインとモバイル対応で新たな設計スタイルを提案 - SolidWorks WORLD 2011
- IT Leaders P44-P45【2011年3月】
卓越したものづくりを支える3D CADソフト「事前検証」と「協働支援」に新潮流
- 月刊・生産財マーケティングP64-P65【2011年3月】
SolidWorks World 2011リポート 3つのプラットフォーム基軸
(囲み記事:Interview ベルトラン・シコCEO 「ダッソーとの連携さらに強める」)
矢野経済研究所アナリストオピニオン(12P)【2011年3月(予定)】
3次元CADは"予測する設計"を実現するための道具に(研究員 庄司 孝)
海外:
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次回のSolidWorks WORLD 2012は、2012年2月13日(月)~2月15日(水)米国カルフォルニア州サンディエゴで開催します。より多くの方々が最新の情報と世界の方々との交流・コミュニティを体感していただければ幸いです。
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以上
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