高度なサーフェス展開
革製品、スポーツ用品、フットウェア製品、カーボンファイバーやファイバーグラスなどの複合材料で作られた製品は一般的に形状が複雑ですが、製造時には牛革やナイロン、布、平坦なコンポジットシートなどの平らな材料から加工されます。そのため、フラットシートから材料を切り出すには、平面に展開した状態でサーフェスのサイズと形状を正確に特定または推定する必要があります。
サーフェスおよびカーブのインタラクティブな自動展開およびデータ エクスポート
SOLIDWORKS は、これまでも特定の種類のジオメトリを自動的に展開する機能を提供してきました。そのうちの 1 つ、SOLIDWORKS フラット パターンは板金部品に特化した機能で、板金の K 係数とベンド テーブルをもとに自動展開を行います。ただし、非分析的サーフェスが存在するなど、ジオメトリが複雑な場合には、サーフェスの展開方法を決定するためにより高度な制御技術が必要となります。
SOLIDWORKS の高度なサーフェス展開機能は、優れた制御性と柔軟性を備えており、複雑なサーフェスも容易に展開できます。これを活用して、以下が可能です。
- サーフェスを自動展開し、インタラクティブな変形プロット (メッシュ) を検証することで、曲率の高いサーフェスの展開時に発生しうる伸縮を視覚的に確認
- リリーフ カットを追加して、展開によって材料に生じた応力を低減 (スケッチやスケッチ エンティティ、部品のエッジを選択してリリーフを追加するか、またはこれらの個所に分割ラインやカットを追加する方法があります)
- エッジのコントロール オプションを使用して展開プロセスを制御し、特定のエッジの長さや形状を維持 (特に曲率の高いサーフェスに有用)
- サーフェス上にカーブをスケッチし、サーフェスとカーブをまとめて展開
- 展開されたサーフェスの輪郭やパターンを、材料の切断プロセス用にさまざまなフォーマットでエクスポート
SOLIDWORKS を使用して展開を行うことで、時間を節約できます。以下に、ワークフローの例を 2 つご紹介します。
- 例 1: 成形や溶接によって製造される金属部品上に、ウェルド ラインやアセンブリの位置をプレマーキングします。手作業で測定やマーキングを行うよりも迅速にこれを行い、エラーも回避できます。
- SOLIDWORKS で、成形済みの形状に対してウェルド ラインやアセンブリの位置をマーキング (スケッチ) します。その際、構成部品の名前を追加することもできます。
- サーフェスとカーブの両方を展開します。
- リリーフ カットが必要な場合は、スケッチまたはエンティティ、部品のエッジを選択して追加します。
- CNC レーザー切断機にエクスポートして部品をカットします (レーザーを低く設定し、マーキングに沿って焼き切ります)。
- この時点で、構成部品にはアセンブリと溶接の情報が含まれます。
- 成形後、ラインはすべて正しいサイズ、正しい位置になっているため、手作業で測定やマーキングを行うことなく溶接が可能です。
- 情報は部品の溶接および構成部品に焼き付けられており、アセンブリに含まれる構成部品の部品番号を呼び出すこともできます。
- 例 2: 産業機器用の接続点を付した断熱ブランケットをプレカットします。
- SOLIDWORKS で、対象産業機器に対応する接続点を産業用断熱材料にマーキング (スケッチ) します。
- サーフェスとカーブの両方を展開します。
- リリーフ カットが必要な場合は、スケッチまたはエンティティ、部品のエッジを選択して追加します。
- CNC ウォーター ジェット切断機にエクスポートして、部品と接続点をフラットにカットします。
- 産業機器上に配置すると、断熱材の接続点は対象機器の接続点と一致します。